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点鼻カルシトニンによる小児ネフローゼ症候群のステロイド性骨粗鬆症の治療
西岡 正倉山 英昭宇田川 淳子松村 千恵子安田 敏行新美 仁男
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1990 年 44 巻 8 号 p. 846-850

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抄録

1α hydroxyvitamin D3とともにカルシトニンを点鼻で100U/doseを隔日投与し(nCT), その骨吸収抑制効果を検討した. 対象は頻回再発, またはステロイドを中止できないネフローゼ症候群の症例5例とし, 対照として同様のネフローゼ症候群の児4例とした. 骨量はquantitative computed tomography法を用いて治療開始前と治療開始後8カ月の時点で測定した. またこの間の血中カルシウム, 燐などや尿中カルシウム, hydroxyproline排泄量についても検討した. 対照群では骨量が著明に減少したがnCT併用群では阻止できた. nCT投与群では血中カルシウム, 燐の変動, 副甲状腺機能の亢進をきたすことなしに尿中カルシウム, hydroxyprolineの排泄量も有意に減少した. 使用を継続できないような副作用は認められなかつた. 以上より点鼻カルシトンはステロイド性骨粗鬆症の治療に有効であつた.

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