医療
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排尿困難を有する患者に対する間欠性自己導尿
古畑 哲彦小川 勝明竹尾 貞徳前川 宗一郎吉田 康洋池尻 公二
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1990 年 44 巻 9 号 p. 912-916

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抄録

高令化社会となり, 排尿困難を呈する患者は増加している. また, これらの患者の中にはさまざまな合併症を有し, 泌尿器科的手術, 処置のできない患者も多い. このような場合, 従来は安易に留置カテーテルが設置されることが多かつたが, 最近は間欠性導尿が各方面で採用きれるようになつてきている.
手術不能の前立腺肥大症, 前立腺癌患者および神経因性膀胱患者に, 間欠性導尿を指導した結果を報告した.
65例中63例に本人または家人に導尿法が習得できた. また, その後も導尿をつづける例が多かつた.
間欠性導尿による尿路感染は少なく, 膀胱機能も回復し, 残尿も少なくなる例が多かつた.
以上の結果より, 排尿困難ないしは尿閉の患者には, 留置カテーテルを置くことなく, 間欠性導尿を指導し, これをつづけるべきことを主張した.

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© 一般社団法人国立医療学会
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