抄録
In vitroにおけるヒト膵癌細胞KP-1Nに対する抗癌剤・放射線照射の併用効果につき検討した. 各種抗癌剤(MMC, ADR, EPIR, 5FU, FT, CDDP, CPT-11)を2日間添加し, 60Co照射群・非照射群に分け比較した. 1ヵ月後における細胞の形態的検査に加え細胞DNA量を測定した. 60Co照射により細胞の破壊・細胞数の減少が明らかに認められ, DNA量も30Gyまでは照射量が増強するとき減少した. FTを除く他の抗癌剤の効果は明らかであった. 放射線照射単独や抗癌剤投与単独群に比し両者を併用した場合の効果は明らかに顕著であった. 以上の成績は, 膵癌治療に際し放射線療法に化学療法を併用することの有用性を示唆すると考える.