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DNAタイピングによる腎移植希望透析患者のHLA-D/DR抗原頻度と予想されるDマッチの割合
酒巻 建夫柏原 英彦横山 健郎三村 信英
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1992 年 46 巻 12 号 p. 963-968

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抄録
腎移植希望透析患者群200名のPCR-SSO法によるHLA-DR, DQ抗原のDNAタイピングの結果, 対照群235名に比較してDR2抗原頻度が少なく, DR4抗原が多くなっていた. DR2のうちDRB 1*1501が有意に少なく, DR 4ではDRB 1*0405が有意に高くなっていた. DRB遺伝子とDQA 1, DQB 1遺伝子のハプロタイプ分析では44型が検出され, DR-DQ抗原の強い連鎖不平衡が認められたが, 透析患者群に特有な型は検出されなかった. 血清学的にDRタイピングを施行している現状ではドナーとレシピエントのDRB 1遺伝子レベル(HLA-D)がどのくらい適合するかを, 遺伝子レベル頻度をもと, に計算すると, 日本人ではDタイプの多型性のないDR 1, DR 7, DR 9, DR 10, DR 11は100%適合が期待できるが, DR 2 (DRB1*1501, 1502, 1602それぞれの和)では51%, DR 4では41%, DR 8では51%, DR 12では48%, DR 13では90%, そしてDR 14では22%であった.
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© 一般社団法人国立医療学会
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