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血清IgE抗体からみたアトピー性皮膚炎患者の臨床的検討
前川 嘉洋水足 久美子深水 大民野上 玲子
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1992 年 46 巻 3 号 p. 180-185

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抄録

平成元年1月より平成2年12月まで当科外来を初診した患者のうちアトピー性皮膚炎(AD)は71名で男性35名, 女性36名で性差を認めなか6たが, 幼児期では男性に, 成人期では女性に多くみられた. 発症年齢は生後1年以内に発症する群と学童期に発症する2群がみられた.
合併症のうちアレルギー性疾患では喘息が60%を占め, 年齢とともに鼻炎, 結膜炎の合併が増加してきた. 感染性皮膚疾患は主に幼児期に合併してみられた.
家族歴ではADを有する者が最も多く, 次いで喘息, アレルギー性鼻炎がみられた. 血清IgEの高値例では抗原特異性IgE抗体陽性例も多く, 多抗原に感作されており, ハウスダスト, ヒョウヒダニ, スギに陽性例を示す例が多かった.

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