日本災害医学会雑誌
Online ISSN : 2434-4214
Print ISSN : 2189-4035
調査報告
南海トラフ地震が想定される地域の訪問看護師における地震への恐怖心に関連する要因
小松 鈴和中井 夏海前川 隼前田 梨沙渡邉 桃花中井 寿雄
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2025 年 30 巻 2 号 p. 64-71

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抄録

【目的】訪問看護師の災害に関するリスク認知と、地震に対する恐怖心に関連する要因を明らかにすることを目的とした。【方法】訪問看護師に無記名自記式のWeb調査を実施した。背景、災害のリスク認知、意識、対策などを調査し、地震に対する恐怖心に関連する要因を分析した。【結果】地震に対する恐怖心に関連する要因は、避難経路の確認を行っている(OR: 3.88, 95%CI: 1.24−12.22; p=0.020)、訪問中の大地震は、自分は助からないと思う(OR: 5.01, 95%CI: 1.26–19.99; p=0.023)だった。【考察】訪問時の避難経路の確認によってリスク認知が深まり、恐怖心を喚起した可能性が考えられる。発災時に自分がどこにいるかわからない不確定要素、発災時には利用者の安全確保の責任があることから、自分は助からない不安を増強させ、恐怖心を喚起した可能性が考えられる。

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