医療
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脳血管障害の長期予後
安部 憲男宮沢 幸仁小針 修三
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1992 年 46 巻 8 号 p. 587-591

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抄録

1979年から1989年まで国立仙台病院神経内科に入院した脳血管障害患者327名について追跡調査した. 追跡率は99.7%, 平均追跡期間は60.5ヵ月だった. 退院時の日常生活動作(ADL)は,正常群が34%, 自立群が32%, 部分介助群が14%, 全介助群が10%, 死亡群が9%だった6追跡時のADLは上述の群について, それぞれ, 30%, 21%, 13%, 8%, 28%だった. 退院時および追跡時ともに, 加齢とともに重症群の占める割合が有意に多かった. 脳血管障害患者の生存曲線は発症時の年齢に依存し, 発症時の年齢が高いほどおよび退院時ADLが重症なほど, 平均生存期間は短かった. 全介助群の平均生存期間は59歳以下で75.3ヵ月, 60歳から74歳までが61.8ヵ月, 75歳以上では22.7ヵ月であった. 脳血管障害患者の死因は脳血管障害そのものが66%を占めていた. 再発は脳血管障害発症1, 2年後に多く, 12年間の追跡期間中の平均年間再発率は4.2%であった.

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