1992 年 46 巻 8 号 p. 611-615
器質的心疾患を認めない小児期の心室性頻拍(VT)49例について検討した. VT時の心室拍数は, 持続性VTと非持続性VTで差がみられなかったが, 重症状群に持続性VTが有意に多かった. VTの起源は右室65%, 左室35%で, 重症状群に左室起源のVTが有意に多かった. また多源性のVT 3例中2例が死亡した. 薬剤抵抗性VTに, カテーテルアブレーション, 心内膜冷凍凝固術を施行し, 有効であった. 49例中4例(8.2%)が突然死した. 死亡例の検討から, 運動誘発性, 多源性, bidirectionalまたはpolymorphic VTは予後不良で, 薬物療法のみで予防ができなければ, カテーテルアブレーション, 心内膜冷凍凝固術を積極的に考慮すべきであると考えた.