医療
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HCV母子感染の検討
真田 光博内藤 博之村上 順子谷岡 慶英木岡 寛雅藤井 恒夫田村 偉久夫甲田 徹三
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1993 年 47 巻 6 号 p. 449-453

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抄録
当院におけるHCV母子感染の頻度を検討するため, 第2世代HCV抗体を用いて妊婦のスクリーニングを行い, 抗体陽性妊婦より出生した児のHCV抗体とHCV-RNAの検出を行った.
HCV抗体は妊婦278例中3例(1.1%)に検出され, そのうち1例にHCV-RNAが検出された. その症例では臍帯血の抗体も陽性であったが, 生後6ヵ月の検査でHCV抗体価は低下し, HCV-RNAは検出されなかった. したがって, HCV-RNAの検出された妊婦1例より出生した児のHCV抗体は移行抗体と考えられ, 母子感染は認められなかった.
また, HCV母子感染を検討する場合, HCV抗体価の推移とHCV-RNAの検出が重要であると思われた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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