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細小血管障害性溶血性貧血を併発した妊娠合併胃癌の1例
寺澤 晃司近藤 肇長町 典夫丸本 浩二
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1993 年 47 巻 9 号 p. 691-694

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抄録

眼症状にて初発し, 細小血管障害性溶血性貧血(MHA)および播種性血管内凝固症候群(DIC)を併発した妊娠合併胃癌のまれな1例を経験したので報告する. 症例は27歳の経産婦で, 妊娠23週時に眼痛と視力障害が出現した. 破砕赤血球, 赤芽球および幼若白血球の末梢血への出現, 溶血性貧血, DICによる滲出性網膜剥離, 両側性卵巣腫瘤がみられた. 抗DIC療法, 胃内視鏡検査および付属器摘出術を行った. 基礎疾患は印環細胞癌によるBorrmann 4型進行胃癌でKrukenberg腫瘍を合併していた. 眼症状の初発から7日目に脳血管障害によると思われる意識障害を来し死亡した. MHAと粘液産生性胃癌は密接な関係にあることが知られている. 妊娠中であっても, MHAが認められた場合には, 粘液産生性腺癌, 中でも, 印環細胞癌を積極的に疑い, その原発巣としてはまず胃癌を考えて全身の検索を行う必要がある.

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