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ミオグロビン尿症, 各種膵酵素, CA19-9の上昇がみられた高浸透圧性非ケトン性糖尿病性昏睡の1例
影山 洋野口 雅秀山内 浩
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1993 年 47 巻 9 号 p. 705-709

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抄録

ミオグロビン尿症と各種膵酵素, CA19-9の上昇がみられた高浸透圧性非ケトン性糖尿病性昏睡(HKNC)の1例を報告する. 症例は52歳男性で主訴は意識障害, 入院約3カ月前より口渇・多尿・体重減少あり, 1週間前より感冒症状あり, 意識障害が出現したために入院. 入院時著明な高血糖, 高浸透圧血症があったがケトアシドーシスはみられなかった. CPK, ミオグロビンの著しい上昇と腎機能障害があり, アミラーゼ, トリプシン, リパーゼ, エラスターゼIの上昇とともにCA19-9の上昇がみられた. 大量の輸液とインスリンの持続投与により高血糖, 意識障害は改善した. さらにCPK, ミオグロビン, 各種膵酵素, CA19-9もすべて1ヵ月以内に正常化した. 糖尿は経口血糖低下剤でコントロール良好となった. HKNCで各種膵酵素とCA19-9の上昇を伴った報告は現在までになく, 本症例が第一例と思われた.

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