医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
8年間にわたって周期性同期性放電(PSD)が出現したAlzheimer病の1剖検例
丸山 信之里見 龍太岩崎 俊司中山 宏
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 48 巻 11 号 p. 958-962

詳細
抄録

長期(8年間)にわたって周期性同期性放電(PSD)を呈したAlzheimer病の神経病理学的所見について報告した. 大脳のび慢性萎縮が高度で脳室の拡大も著しい. 大脳皮質の神経細胞脱落が高度で神経原線維変化や老人斑が多発し, 神経原線維変化は大脳皮質ばかりでなく, Meynert核, 視床, 被殻, Luys体, 海馬, 中脳網様体, 黒質, 橋網様体, 青斑核, 中心上核, 背側縫線核, 延髄網様体など中枢神経系の各所にみられた. Alzheimer病の病的過程の進行とともにPSDの発生機序が大脳皮質のみならず視床・脳幹網様体を含めた広汎な障害によるものと考えた

著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top