ペースメーカー埋込み手術は11例にすぎないが, まれな合併症や術中, 術後における2～3の工夫を加え, その成績を述べた.
症例は男性2例, 女性9例, 年齢は52歳から88歳(平均73歳)であった. 原因疾患は房室ブロック5例, 洞不全症候群6例で, 前群の3例, 後群の1例で救急的対応を要した. ペースメーカーは左前胸部皮下のポケットに埋込まれ, リードは経鎖骨下静脈的に右室乳頭筋内に挿入された. 術後は定期的に点検されレートや出力が調整されている.
まれな合併症として, タイン付きリードが右室を穿孔し左胸腔内に至った. 抜去は危険であり新しいリードを挿入した.
鎖骨下静派穿刺が困雄な例では, 皮静脈を介して挿入し, 皮下を経て本体と接続した.
大きすぎたポケットに滲出液の貯溜をみた例では, ポートバックを用いて速やかな治癒をみた.
