最近注目されている疾患にDiversionを目的とした人工肛門造設のため暖置された大腸に炎症を起こすDiversion colitisがある. 今回我々はその1症例を経験したので報告する. 症例は74歳の女性, S状結腸進行癌にて左半結腸切除術, 胃瘻造設術および回腸瘻造設術を施行した. 約10ヵ月後, 回腸瘻閉鎖目的で内視鏡検査を行ったところ大腸全域に易出血性, 慶爛を認めた. 病理組織はnon specific, erosive colitisであった. Diversion colitisを疑い長鎖脂肪酸製剤(LCFA)であるIntrafatの経静脈投与を週2回, 5週間を施行した. その結果, 著明な改善が得られた.