医療
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先天性心疾患を合併した新生児における搬送前および搬送中の酸素投与状況の検討
秋田 裕司太田 明後口 ユリ古川 正強江川 善康松村 長生
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1994 年 48 巻 6 号 p. 419-422

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抄録
新主児期発症の重症先天性心疾患(CHD)に対す術前管理を向上させる目的で, CHDのために瘢送入院した新生児64例を対象に, 搬送前(搬送病院)および搬送中の酸素投与の有無および濃度についてretrospectiveに検討した. 搬送前と搬送中の酸素濃度を比較すると, 増加13例, 不変30例, 減少21例であった. CHDの疾患群別の検討では, 単純な肺血流減少型疾患(7例)の平均値が搬送中に増加していたのに対し, 動脈管依存型疾患(37例)および肺血流増加型疾患(20例)の平均値はそれぞれ減少および不変であった. CHDに対する高濃度酸素のadverse effectには十分注意するべきであるが. 当院の新生児期CHDに対する酸素使用状況は適切であると考えられた. 今後ともCHD児への慢然とした酸素投与は慎むべきであると思われた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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