医療
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回腸膀胱瘻を合併したCrohn病の1例
島田 昌明須賀 昭二岩瀬 弘明西尾 雄司印藤 実知子杉田 洋一青田 泰博京兼 和宏永井 弘文森瀬 公友
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キーワード: Crohn病, 回腸膀胱瘻, 治療
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1994 年 48 巻 8 号 p. 630-633

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抄録
Crohn病による回腸膀胱瘻の1例を経験した. 症例は25歳の男性で, 主訴は下痢, 腹痛, 発熱, 糞尿であった. 昭和63年よりCrohn病と診断されていたが, 平成3年7月1日, 上記主訴のため入院となった. 入院時検査で低蛋白血症, CRP強陽性, 尿・便培養でCitrobacter freundiiを杉出. IVP, 膀胱造影, 膀胱鏡, 下腹部CTで膀胱右後壁に隆起性病変が疑われた. 注腸造影で回盲部の著明な変形, 上行結腸とS状結腸に多数のpseudopolyp, S状結腸には線状潰瘍も認めた. ガストログラフィンを用いた小腸造影で膀胱が造影され, Crohn病の回腸膀胱瘻と診断した. 保存的治療では糞尿は持続し瘻孔の閉鎖がみられなかったため, 同年9月24日, 回盲部切除・膀胱部分切除を施行した・切除標本では回腸, 膀胱間に瘻孔が認められ, その周囲に膿瘍を形成していた. 術後経過は良好で, 平成4年1月13日, 退院し, 現在, 瘻孔の再発はみられていない.
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© 一般社団法人国立医療学会
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