医療
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慢性難治性肺結核患者の免疫能
多田 敦彦河原 伸玉置 明彦谷本 安竹内 誠岡田 千春三島 康男宗田 良高橋 清木畑 正義
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1995 年 49 巻 7 号 p. 541-546

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抄録
慢性難治性肺結核患者12例を対象に免疫学的検討を行った. CD4/CD8比は4例が高値, 1例が低値であった. 血清はIgGは11例が高値, IgAは10例が高値, IgMは2例が高値であった. PPD皮膚反応は陽性11例, 疑陽性1例, PHA皮膚反応は陽性11例, 陰性1例であった. リンパ球幼若化反応は, Con A刺激では1例が高値, PHA刺激では2例が高値, 1例が低値であった. IL-2産生能は4例に亢進が認あられた. インターフェロン(IFN)-α産生能は健常者に比し有意な低下が認あられた. IFN-γ産生能は健常者に比して低下していたが有意差は認められなかった. IFN-α産生能と血清CRP値には負の相関傾向が認あられた, 以上より, 慢性難治性結核患者ではIFN-α産生能などのリンパ球機能異常が認められ, その病態への関与の可能性が示唆された.
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© 一般社団法人国立医療学会
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