抄録
気管支喘息患者における末梢血白血球の活性酸素産生能を, フローサイトメトリーを用いて検討した. 活性酸素産生能の測定は, 蛍光プローブのDCFH-DAを白血球に浸透させた後, PMA (20ng/ml)で37℃, 5, 10, 15分間刺激した時の細胞内の蛍光強度をフローサイトメーターで測定した. 解析は, 1) 細胞の自家蛍光をcut off値にして求めたPMA刺激時と非刺激時の陽性細胞率の差(ΔPCN)と2)PMA刺激時と非刺激時の平均蛍光強度の差(ΔMFI)で行った結果, 発作群は健常群に比べ有意(p<0.01)に産生能が低下しており, ステロイド投与群も低値を示した. 一方, これらの患者群ではPMA非刺激時の蛍光量が増加しており, これが測定値を低くしている可能性も考えられた. これらの結果から, 喘息患者ではPMA非刺激時からすでに産生能が高まっており, 本法が喘息患者の活性酸素産生能を知る上で有効であることが示された.