医療
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パーキンソニズムにおける目的動作獲得のためのきっかけ動作について
―第2報―
外山 治人長屋 政博加知 輝彦
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1996 年 50 巻 2 号 p. 114-117

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抄録
我々は起き上がり動作において異なるきっかけ動作で改善した2症例を経験した. 2症例とも歩行は可能であったが, 側臥位からの起き上がりが困難であった. これに対し症例1には左側臥位で左肩関節水平外転を他動・自動介助・自動の順に行わせると起き上がりが可能となり, 症例2には左側臥位で右股関節外転を自動で行わせると起き上がり時間が短縮した. また, 症例1には症例2と同様に右股関節外転を行わせると起き上がりは可能になったものの肩関節水平外転後と比較し起き上がり時間は短縮しなかった. パーキンソニズム患者の側臥位からの起き上がり動作に対するきっかけ動作として, 側臥位での下側の肩関節水平外転, 上側の股関節外転はともに有効であると考えられ, 症例に応じた方法を見出す必要がある.
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© 一般社団法人国立医療学会
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