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特発性頸動脈海綿静脈洞瘻3例の経験
石倉 彰池田 正人田口 博基高畠 靖志泉 祥子
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1996 年 50 巻 4 号 p. 307-311

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抄録

SCCFの治療には沢山の報告があるが, いまだ議論のあるところである. 3例について報告する. 第1例は57歳女性, 右脳血管写で低還流CCF(BarrowのType B)をみた. Matas手技のみで消失した. 第2例は62歳女性, 両側血管写で低還流CCFをみ(Type D), Matas手技, 左外頸動脈の塞栓, 結紮にて軽快した. 第3例は66歳女性, 両側血管写にて高還流CCF(Type D)をみた. Matas手技と経静脈的塞栓術を行った. 塞栓は白金コイルを内頸静脈, 下錐体静脈を経て海綿静脈洞に充填した. まとあると, SCCFの治療は, 最初Matas手技を2から4週間行い, 効果がみられない場合, 経静脈的塞栓術を施行する. カテーテルと塞栓物質の技術的進歩によって, 経静脈的塞栓術はSCCFにとって最も効果的, 安全な方法の1つと考えられる.

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© 一般社団法人国立医療学会
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