医療
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難治てんかんに関する諸問題
―20年の経験から―
八木 和一
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1997 年 51 巻 3 号 p. 101-105

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抄録

入院した難治てんかん300例を国際分類に基づき分類すると局在関連性てんかんでは側頭葉てんかん, 前頭葉てんかん, 潜因性あるいは症候性全般てんかんではLennox-Gastaut症候群, 症候性全般てんかんでは非特異病因性のその他の症候性全般てんかん, 焦点性か全般性か決定できないてんかんでは乳児重症ミオクロニーてんかんが多くみられた. 難治てんかんに関わる臨床的要因は1)治療抵抗性の強い発作反復傾向, 2)脳器質性障害, 3)てんかん治療を困難にする, 精神医学的問題, 抗てんかん薬に対する不耐性, 社会環境の問題, 自己誘発性などの併有, 4)不適確な診断と治療であった. Lennox-Gastaut症候群について臨床的経過と成因から, また側頭葉てんかんについては外科切除標本の神経病理から難治化する機序について考察した. 難治てんかんに関する治療上の問題点と外科治療について述べ, 包括的治療の必要性を強調した.

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