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免疫比ろう法に基づく梅毒Treponema Pallidum 抗体測定自動化の試み
原 喜与一扇谷 茂樹
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1997 年 51 巻 3 号 p. 106-110

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抄録

現在, 梅毒血清反応ではTreponema Pallidum に対する特異抗体検査としてTPHA法やFTA-ABS法が広く用いられているが, これらの方法により得られる結果は半定量値であり, 再現性や多数検体の処理, 検査所要時間に難点があった. 我々は免疫比ろう法に基づく自動免疫分析装置にラテックス凝集法を応用し, 梅毒 Treponema Pallidum抗体測定の自動化を試みた. その結果, 直線性は少なくとも560 Titer Unitまで認められ, 同時・日差再現性の変動係数は8.7%以下を示した. また, TPHA法との相関係数は0.85(P<0.001)となり, 良好な相関関係が認められ, さらにTPHA法との陽性一致率は91%を示した. 本法は半定量法であるTPHA法と比べ, 定量的に抗体価を得ることができ, さらに反応時間は12分と迅速性に優れ, 多数検体処理が十分可能でスクリーニング法としても有用と考えられた.

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