医療
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平成5-7年度の3年間におけるスモン患者検診の分析
飯田 光男小長谷 正明中江 公裕
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キーワード: スモン, 難病モデル, 福祉
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1998 年 52 巻 11 号 p. 683-689

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抄録
平成5-7年における厚生省特定疾患スモン調査研究班(班長:報告者)医療システム分科会のスモン検診患者実数1,672名(男:女=1:3)を集計し, 解析を行った. 検診場所は病院51.1%, 保健所27.6%, 在宅12.4%であり, 在宅検診が漸次増加していた. 臨床症状では視力障害が40%, 運動障害45%で, 知覚障害はほぼ全例にみられた. 異常感覚は約65%が軽減していた. 現在の障害度は重度・軽度が数%増加し, 中等度がわずかに減少している.障害要因はスモンそのものが44.2%, スモン・+合併症41.0%で, この2つが大部分を占めていた. 合併症は白内障42.8%, 高血圧31.6%, 脊椎疾患25.1%, 四肢関節疾患が19.2%であったが, 痴呆は2%以下であった. これらとスモンの病態との関連については正常高歯令者との比較分析が必要である. 介護の問題を含めて, スモン,合併症治療へのニードが際立って高率にあり, 今後, 恒久対策の主要課題として取り組む必要がある.
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