医療
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内頸動脈血栓内膜剥離術
秋山 義典橋本 信夫
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1998 年 52 巻 2 号 p. 73-76

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抄録

我が国において, 頸部頸動脈狭窄症は増加傾向にあり, 脳卒中の原因として重要視されるようになってきている. 脳卒中予防の観点から頸部頸動脈狭窄症の自然経過, 薬物治療の効果, 外科的治療の有用性を正しく認識した上で治療の選択を行う必要がある. 症候の有無に関わらず高度狭窄例に対しては現在, 内頸動脈血栓内膜剥離術(CEA)が最も有効で, これは脳血流の改善のみならず塞栓源を取り除き, 脳卒中発生予防に対し大きな効果がある. しかし, CEAは脳卒中予防を目的とした手術であるので合併症を少なくすることが重要である. このため, 充分な術前検査による病態把握, さまざまな術中モニターの施行, 厳重な術前術後管理を行うことが重要である.

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© 一般社団法人国立医療学会
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