医療
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尋常性乾癬の経過中に原発性胆汁性肝硬変を合併した1例
伊賀 大二郎矢倉 道泰上司 裕史原田 英治
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1999 年 53 巻 1 号 p. 46-48

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抄録
症例は54歳, 女性. 1968年に尋常性乾癬と診断され皮膚科に通院していた. 1970年まで肝機能は正常であったが1982年, 人間ドックで初めて肝障害を指摘された. 種々の肝庇護剤を投与されるが肝機能は軽度異常のまま正常化しないために当科を紹介された. 血液生化学検査でAMA陽性, IgM高値と胆道系酵素優位の肝障害が, 肝生検では慢性非化膿性胆管炎の所見が認められ, 原発性胆汁性肝硬変でSchuer分類のstage Iと診断した. UDCA 600mg/日投与し肝機能障害は正常化した. 尋常性乾癬と原発性胆汁性肝硬変はそれぞれ自己免疫性疾患とされ, 高率に他の自己免疫性疾患を合併するが両者の合併はきわめてまれであり, これまで2例の報告しかない.
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© 一般社団法人国立医療学会
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