医療
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肝内胆管内発育によりhemobiliaを来たし, transcatheter arterial embolization(TAE)にて止血し得た肝細胞癌の1例
杉本 直俊竹崎 英一有吉 隆久村上 信三甲田 徹三石川 勝憲山根 哲実片山 正一
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1999 年 53 巻 4 号 p. 256-260

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抄録
肝細胞癌の胆管内発育によりhemobiliaを来たし, transcatheter arterial embolization(TAE)にて止血し得た62歳男性例を報告する. 肝細胞癌にて入退院を繰り返していたが下血, 右季肋部痛, 発熱を主訴に救急入院. 著明な貧血を認め, 上・下部内視鏡を施行したが出血源確認できず. 止血剤, 輸血にて小康状態となるも第21病日に再度下血を来たし上部内視鏡施行, 十二指腸乳頭部より新鮮血の出血を認め, 肝動脈造影で実質相から静脈相にかけて肝内胆管内に造影剤の漏出を認め, 肝細胞癌の胆管内発育が示唆されTAE施行, 腫瘍濃染は消失, 以降症状安定し退院となった. その後自宅にて静養するも全身衰弱が進行, 心肺停止にて救急来院, 救命処置施行するも死亡. 剖検にて肝内胆管内への肝細胞癌の発育が確認された. hemobiliaの治療はWalterらの報告以来外傷が原因のものにはTAEが第1選択であるが本例のように腫瘍が原因のhemobiliaに対してもTAEが有効であると考えられた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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