抄録
(目的)
DMD患児では, 処女歩行の遅延, それに続く歩行障害は次第に増強し, 多くは12, 3歳ころには歩行不能となって, 車椅子生活を余儀なくさせられる. たとえ歩行できなくなったとしても, 起立位が保持できれば, その心肺機能にもいい影響をおよぼすことは異論のないところである. DMD患児の歩行分析がリハビリテーションや装具療法の一助となり得ないか検討することは大いに意義があると考える.
(方法)
4歳から14歳までの独歩可能なDMD児童33名について歩行分析を行った. アニマ社製大型床反力計を使用し, その上を3~5回, 裸足で自由歩行させ, 得られた床反力波形の前後方向分力f(y), 垂直方向分力f(z), 側方方向分力f(x), について1ストライド, および体重で正規化し, 年齢グループ別について正常児童の床反力と比較し, 検討した.
(まとめ)
1. 歩行分析の前後分力においてDMD児の両脚支持期は正常児に比しておよそ2倍長くなっている.
2. 歩行分析の上ではDMD児の歩容は7~9歳のころが一番安定していた.