抄録
九州地区の主な新生児医療施設に対し, 1年以上の長期入院児の入院状況につき実態調査を実施した. 回答を得た36施設(回答率90%)には平成7年10月の時点で57名(うち超重症児38名), 平成9年1月の時点では46名(うち超重症児33名)の長期入院児がいた.
早産による未熟性に起因する長期入院児は3歳以下であるが, 先天異常, 分娩障害, そのほかに起因する児は比較的年齢層が高くなっていた. 平成7年10月の時点での未熟性に起因する長期入院児は平成9年1月の時点では全例退院(死亡を含む)していたが, 先天異常, 分娩障害, そのほかに起因する児はその過半数が入院したままであり, とくに超重症児ほど新生児医療施設に入院し続けていた. この状況を改善するためには療育施設を含む後方施設の整備が必要と考えられる.