2000 年 54 巻 2 号 p. 79-84
食物アレルギーの発症は特殊な例を除きほとんどの場合離乳食開始前後の乳児期が最も多い. その場合には詳しい病歴・血液検査・皮膚テスト・食物除去試験・外来での食物日記による観察で診断がつけられることが多い. しかし, 多アレルゲン陽性症例や給食が問題となる就園・就学前の幼児・学童を対象とした耐性の獲得の診断に食物負荷試験は不可欠である. 食物アレルギーの治療は現在食物除去が唯一の方法であり正確な診断が要求される. 症例によっては食物負荷試験を被験者・検者の主観を入れずに客観的に行うことが必要であり, 欧米では最終的な診断方法としてDouble-Blind Placebo-Controlled Food Challenge(DBPCFC)が行われている. ここでは食物アレルギーの診断方法を概説するとともにDBPCFCも施行可能な乾燥食品粉末と媒体としてイチゴピューレを用いた食物負荷試験方法を確立したので報告する.