医療
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感染誘導によるアレルギーの制御
島津 伸一郎榎本 雅夫白川 太郎
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キーワード: アトピー, 感染症, 結核菌
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2000 年 54 巻 2 号 p. 85-88

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抄録

Th1反応とTh2反応は相拮抗して成り立っていて, アレルギー疾患ではTh2優位になっており. アトピー疾患のより根本的な治療法としてTh1反応を誘導しTh2反応を抑制することが考えられている. 我々は一般小児集団においてツ反とアトピーに関する疫学調査を行い, ツ反陽性者ではTh1優位となっていてアトピー疾患の罹患率は有意に低く, またッ反陽転することによってアトピー疾患が有意に高い寛解率を示すことを証明した. またHopkinらは花粉症患者にSRL172を投与して喘息症状の改善を得ている. またほかの動物実験研究ではBCGの投与によってTh2反応が抑制されることが証明されている. これらの結果は結核菌などの細菌菌体成分がアトピー疾患の治療と予防に有効な手段となりうることを示している.

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