医療
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小児心肺蘇生法の新しいガイドライン
中川 聡
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2002 年 56 巻 1 号 p. 44-50

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抄録

2000年に発表された小児に対する心肺蘇生法の新しいガイドラインは, 原則としては1992年のものと大きな変更はない. 変更の主な点は以下のとおりである. 一次救命処置では, 蘇生用のマスクとバッグが使用可能な状況では, それらを積極的に使用することが薦められている. また, 心マッサージを行う前の循環の評価としては, 一般市民に対しては, 脈を触れずに他の兆候から判断するように教育するようになった. 二次救命処置においては, 気管内挿管の際のチューブ位置の確認のためカプノメータの重要性が強調された. また, ラリンゲアル・マスク・エアウェイが気道確保の手段として選択肢の一つとなった.
さらに, 我が国での小児の二次救命処置のレベルの向上のためには, Pediatric Advanced Life Supportのコースの導入は不可欠であり, これが今後の課題となる.

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© 一般社団法人国立医療学会
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