FDAのオレンジブックは先発品と後発品の治療学的同等性を示しているが, 日本版オレンジブックは溶出の同等性を示している. しかし溶出が同等であれば, バイオアベイラビリティ, 治療効果に著しい差を生じる可能性は少なく, 治療学的同等性を保証しようとする目的は日本のオレンジブックも同じである. 本論文では, 溶出の同等性と生物学的および治療学的同等性との関係について述べるとともに, オレンジブック誕生までの経緯を紹介している. オレンジブックを参照すれば, 品質再評価で溶出の同等性が確認された後発品を知ることができるが, 溶出試験規格, 再評価の進捗状況, そして生理学的pH範囲の溶出プロファイルをも知ることができる. とくに, 溶出プロファイルは, 医薬品の品質, 体内での溶出を知る上で有用な情報である.