医療
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56 巻, 8 号
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  • 白神 誠
    2002 年 56 巻 8 号 p. 453-456
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    後発医薬品に関するディスカッションのイントロダクションとして, 後発医薬品の法的位置づけ, 後発医薬品の承認申請添付資料, 後発医薬品と薬価, 医療保険と後発医薬品, 後発医薬品への批判, 後発医薬品と特許, 後発医薬品の市場に占める割合について説明する. また, 米国のジェネリック医薬品の事情について説明する.
  • 青柳 伸男
    2002 年 56 巻 8 号 p. 457-460
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    FDAのオレンジブックは先発品と後発品の治療学的同等性を示しているが, 日本版オレンジブックは溶出の同等性を示している. しかし溶出が同等であれば, バイオアベイラビリティ, 治療効果に著しい差を生じる可能性は少なく, 治療学的同等性を保証しようとする目的は日本のオレンジブックも同じである. 本論文では, 溶出の同等性と生物学的および治療学的同等性との関係について述べるとともに, オレンジブック誕生までの経緯を紹介している. オレンジブックを参照すれば, 品質再評価で溶出の同等性が確認された後発品を知ることができるが, 溶出試験規格, 再評価の進捗状況, そして生理学的pH範囲の溶出プロファイルをも知ることができる. とくに, 溶出プロファイルは, 医薬品の品質, 体内での溶出を知る上で有用な情報である.
  • ―後発医薬品の採用状況―
    北澤 潤
    2002 年 56 巻 8 号 p. 461-464
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    従来より, 国立病院等においては医薬品購入の適正化を推進してきたが, 国会等において大学病院を含め国公立病院を中心とした後発医薬品使用の推進が求められている. 今回国立病院等を対象に行った調査により平成12年度の後発医薬品の購入金額実績は全国的な平均値の約10分の1とその使用が進んでいないことが明らかとなった. 医薬品の使用は医師が患者に対する最適の医療を行うために医学的観点からその処方に必要な医薬品を選定することは最優先とすべきだが, 一方で, 後発医薬品の使用は, 医療保険財政の効率化および患者負担の軽減を通じた患者サービスに資すると考えられる. 国立病院等に求められている状況を勘案し, 国立病院等における後発医薬品の採用について積極的な検討が求められる.
  • 高田 充隆, 柴川 雅彦
    2002 年 56 巻 8 号 p. 465-468
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    一般名処方の導入と後発医薬品の有効利用は, 医療費の抑制における重要な施策である. 医師, 薬剤師および患者はそれぞれの立場で, 一般名処方の意義と後発医薬品の長所・短所について正しく理解する必要がある. また, 後発医薬品企業は安定供給の確保, 情報の収集・提供体制の整備, 製造管理・品質管理の徹底に努めなければならない. 後発医薬品の品質管理について, われわれ薬剤師が最も懸念することは, 先発医薬品と後発医薬品の生物学的同等性の問題である. 治療血中濃度域が狭いために, わずかな血中濃度の変化により副作用を生じたり, 効果が低下したりするような薬物で, 血中濃度モニタリングの対象となっている薬物についてはとくに注意が必要である.
    一般名処方における薬剤の選択に関する薬剤師の責任は重く, 患者の経済的負担の側面と薬剤学的な妥当性から適正な薬剤が選択されなければならない.
  • 越前 宏俊
    2002 年 56 巻 8 号 p. 469-471
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    医療費抑制の有力な方策の一つとして, 欧米では処方薬のジェネリック化が推進されているが, 日本ではこの動きに今ひとつ精彩がない. 有効成分の生物学的同等性が保証されるのであれば, 純粋に医学的な見地からは先発医薬品とジェネリック薬の間に差異はない. 米国では, 日々増加するジェネリック薬のリストの最新情報を, 印刷媒体(通称オレンジブック)のみならず電子媒体(webサイト)で提供し, 処方者の便を図っている. ジェネリック薬の普及を促進する, 臨床薬理学的な同等性の概念と一般名処方の唱導が医学教育で強調されるべきである.
  • 松村 剛, 野暗 園子, 横江 勝, 斉藤 利雄, 国富 厚宏, 神野 進
    2002 年 56 巻 8 号 p. 472-475
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    25歳以上の筋強直性ジストロフィー女性患者40名で, 子宮筋腫および月経困難症の合併頻度を調査した. 回答が得られた30名中18名に子宮筋腫を認め, 卵巣嚢腫も少なくとも4名で合併していた. ほとんど全例が何らかの月経困難症を訴えた, 女性ホルモン異常症・子宮筋腫は一般人口でも有病率の高い疾患であるが, 本症においてきわめて高い合併率を示したことから, 何らかの関連が疑われる. 今後その原因を明らかにしていくとともに, 本症女性例の診療においては, 婦人科的合併症の存在を念頭に当たることが重要である.
  • 折口 美弘, 宮野前 健
    2002 年 56 巻 8 号 p. 476-478
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    1982年から1999年の間に国立療養所で死亡した重症心身障害児・者(以下, 重症児と略す)の死因調査の中から死亡時年齢と死因との関連について検討して, 下記のような結果を得た. 症例は上記18年間に回答のあった2,427例の中から年齢無回答5例と死因不明および無回答68例を除いた2,354例を対象とした.
    (1)いずれの年齢群も肺炎が死因のトップであった. これを年齢群別にみると, 50歳未満では年齢が高くなるほどその割合が低くなっていたが, 50歳以上では再び高くなる傾向を示していた.
    (2)悪性新生物は37例あり, 全体の1.6%であった, 30歳未満が12人(32.4%), 50歳未満が31人(83.8%)であった.
    (3)敗血症は40歳以上に多く, 腸閉塞も年齢が高いほど多い傾向にあった.
  • 浜崎 寛, 真鍋 健史
    2002 年 56 巻 8 号 p. 479-482
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    高齢者の上腕骨骨折の治療法は種々様々ありいずれも比較的良好な成績が報告されているが, 骨の脆弱性が基盤に存在するので保存治療および手術的治療のいずれを選択しても遷延治癒や偽関節を生じやすい. また, それを回避するたあに長期間の外固定を行うと肩関節の拘縮を容易に引きおこすなど問題も多い. 今回, われわれは髄内釘を用いて比較的良好な成績を得た症例を若干経験したので報告する.
    症例は4例, 男性1例女性3例, 年齢は69歳から82歳平均76,5歳である. 骨折型は骨幹部2例(AO-A2, A3)近位部2例(いずれもNEER-IIIB)で, これらに対しいずれもリーミングと横止めネジが不要の髄内釘(TRUE/FLEX system)を用いた. 全例とも約3ヶ月で骨癒合が得られ, 臨床成績もほぼ満足する結果が得られた. 高齢者の上腕骨骨折に対して髄内釘(TRUE/FLEX)は有用であると考える.
  • 前川 嘉洋
    2002 年 56 巻 8 号 p. 483-486
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    強皮症は皮膚真皮深層における膠原線維の増生に始まり, 全身性, 進行性に肺・腎・消化管など内臓器への膠原線維や結合織成分の著明な沈着が特徴であり, diffuse cutaneous systemic sclerosisとlimited cutaneous systemic sclerosisの2型に分類される. 最近, TGF-βが線維芽細胞に作用してコラーゲンやフィプロネクチンなどのマトリックス合成を促進することから, 強皮症の発症に深く関与しているのではないかと考えられている. 治療については症例に応じ, 経口ステロイド剤は有用であると考えられている. D-ペニシラミンの有効性にはなお検討の余地がある.
  • 大塚 和人, 加藤 融, 桜井 淳, 伊藤 輝明, 長谷川 真一, 松永 太, 高原 淑子, 大塚 次男, 湯浅 龍彦
    2002 年 56 巻 8 号 p. 487-490
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 56 巻 8 号 p. 491
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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