医療
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国立病院機構における仮想輸血管理室
中村 幸夫中島 正勝
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2005 年 59 巻 8 号 p. 409-414

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抄録
「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」は, 平成15年7月に施行された. それからすでに1年以上が過ぎた今, 独立行政法人化した国立病院機構等における適正な輸血管理への取り組みについて見直してみた. 116施設から寄せられたアンケート調査の結果, 年間の輸血使用量が1万単位以上の施設はわずか20ヵ所だけであり, これらの施設だけで116ヵ所における合計使用量の70%以上を使用していることが明らかになった. しかも, これら20ヵ所の大規模施設でさえ, 適正な輸血医療を実施するための十分な管理体制がとられているとはいえなかった. この現状を解決するため, 病院全体の業務支援ナレッジベースの構築を見据えて, 全国規模の仮想輸血管理室の構築を提案したい. 日本全体の輸血医療のオピニオンリーダーとして, 国立病院機構「仮想輸血管理室」が運用されることを願うものである.
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© 一般社団法人国立医療学会
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