医療
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テレビ会議システムを利用した遠隔地間の臨床カンファレンスの試み
佐々木 康夫小川 賢二山岡 朗子中川 拓西本 泰浩
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2006 年 60 巻 2 号 p. 102-105

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抄録
われわれは, 遠距離の医師が, 画像を共有しながら会話をし, 臨床カンファレンスが行えるシステムの構築を目的として, POLYCOM社製のテレビ会議システムVSX7000と, WOLFVISION社製書画カメラVZ-9のシステムを作り, 胸部単純X線像, 頭部MRIとCT像, 入院カルテから(検査伝票, 心電図シンチ写真)をシステム間で伝送し, 伝送時間, 画質などの問題点を検討した. 胸部単純像は上肺野, 下肺野, 縦隔, 肋骨, と各部分に分けて読影する必要があり, 肺野の拡大像は細い血管陰影が解像度の関係で, つぶれてしまい, 読影上問題があった. 頭部MRIは最大ズームで脳白質の最小ピクセルが誇張され, 散在する黒の点として見えるので, 受信側に予備知識が必要と思われたが頭蓋内構造物の読影には十分であった. カルテの検査伝票は9ポイント程度の文字, 色ともに読みとれ問題はなかった. 心電図心筋シンチ写真も絞りの調節が必要であるが, 十分に読影可能であった.
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© 一般社団法人国立医療学会
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