医療
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喉頭摘出術-看護師の立場から-
亀尾 慶子
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2006 年 60 巻 6 号 p. 383-386

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抄録
喉頭全摘術後は音声の喪失または制限, 永久気管孔による日常生活上の制限, 外観の変化がおこる. それに対する患者・家族への精神的・身体的・社会的援助を早期から計画した上で看護にあたることが大切である.
看護師の役割としては大きく4点があげられる.
1. 手術が最良の状態で受けられるよう, 精神的・身体的・社会的なあらゆる面での準備を行う.
とくに術後の機能喪失への不安が強いため, 適宜面接を行い, 患者が機能喪失を受容する過程を援助する.
2. 化学療法, 放射線療法を行っている場合は手術に加え, その合併症や副作用への対処を行う.
3. 術後合併症の予防と早期発見に努め早期回復をはかる.
4. 退院に向けて, 家族も含めて社会復帰への取り組みができるよう援助する. 日常生活指導では
自宅での生活に置き換えて, 具体的に疑問や問題点を見出せるように関わっていく.
患者・家族の支援にあたり看護師は疾患や看護の専門知識や技術だけでなく, 経済的な問題や社会福祉などの社会資源の活用についての知識も必要である. 入院時より, 患者・家族との間に信頼関係を築き, 情報を得, 知り得た情報から問題を予測あるいは抽出し, 患者・家族自身が自らあらゆる問題を解決できるよう積極的に関わっていくこと求められる.
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© 一般社団法人国立医療学会
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