抄録
がん専門病院における終末期の医療連携とは, ただ地域の医療機関の情報を提供するのみではなく, 患者・家族が納得し自己決定できるようにサポートした上で, 十分なケアが確保された緩和ケア目的の医療連携をすることである. これ以上の積極的な治療ができないと告知を受けた患者・家族に積極的に援助介入することから始まるといってよい. 今後, たとえ高度な治療ができたとしても, 医療連携が患者サービスの視点を外れ, 患者・家族のニーズに合致していなければ, その医療機関の医療の質自体が劣ると評価される可能性があることを忘れてはならない.