典型的な地方都市に位置する浜田医療センターにおける病院ボランティアの4年間を振り返って, 病院ボランティアの意義と今後のあり方を考察した.
この間の病院ボランティア活動を通して, 患者に安心感を与え, 病院そのものがより身近な存在になれるように配慮し, 病院職員の意識改革の端緒になればと願った. 実際の活動は多岐にわたり, 外来での案内, 移送介助, 話し相手, 受診手続きの援助, 乳幼児のお世話, 図書コーナーの整理, ボランティア養成講座の運営, 研修会, 院内巡視と提言, その他であった. 問題は, ボランティア会員の増加が難しいこと, 病院職員の方のボランティアに対する意識が必ずしも高くならないこと, したがって病院職員との連携が案外と難しいということである.
病院ボランティアは, 個人的に得ることも逆に失うものもあるが, 何よりも, 患者のお役に立てること, それを持って地域医療に参加貢献できる点は, 他のどのボランティア活動とも違う大きな意義のあるところである.
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