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北海道がんセンターの血管留置カテーテル関連感染対策改善の効果
一戸 真由美石田 憲英横山 千尋栗山 陽子山上 みどり田村 純子磯部 宏
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2007 年 61 巻 6 号 p. 404-409

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抄録
国立病院機構北海道がんセンターは, 易感染状態の患者や血管留置カテーテルを使用する患者が多いが, 以前は慣習に従ったケアを続けていることが多かった.
そこで, 感染対策チーム: Infection Control Team (ICT)およびリンクナースによって感染対策を見直し, 血流感染防止マニュアルを作成することで, 感染率の低下を目指した. 評価方法: (1)血液科病棟のカテーテル関連血流感染: Catheter-Related Blood Stream Infection (CR-BSI) サーベイランスによる感染率の比較. (2)看護師対象の自己チェックリストによるマニュアル導入前後の実施状況を比較し, それぞれの結果をスタッフヘフィードバックした.
結果: (1)注射薬混合時の手袋着用等の介入により, 感染率が3.2から1.0へ有意に減少した(フィッシャー正確確率検定0.0316<P<0.05). (2)マニュアル導入後, 自己チェックリストの「できている」回答の割合が76%から84%に増えた. ICTと連携しリンクナースが主体的に改善策を検討したことや, 成果が数値で示されたことが, スタッフの意欲向上につながったと考える.
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© 一般社団法人国立医療学会
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