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精神・神経センターにおける感染制御チームの役割と感染管理上の課題
中島 百合中川 栄二高橋 晶中林 哲夫長田 裕次太田 勝美平井 久美子
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2007 年 61 巻 6 号 p. 398-403

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抄録
国立精神・神経センター武蔵病院(以下武蔵病院)では, 平成16年4月に感染制御チーム: Infection Control Team (ICT)が発足し, 組織横断的な活動を戦略的に実践した. これまでの活動の中で, ICTラウンドにおいては精神科病棟における患者の私物や飲食物等に関わる管理方法の問題や廃棄物分別の不徹底等の問題が浮き彫りになった. また, ノロウイルスによる急性胃腸炎のアウトブレイク事例からは, 感染症発生時の患者の精神面への配慮と, 手指衛生や環境整備の徹底がとくに重要であることを痛感した.
個人衛生管理能力の乏しい患者および重症の長期入院患者を多く抱える当院において, 手指衛生をはじめとした標準予防策に加え環境整備に重点をおいた日頃からの感染防止対策の徹底, さらに, 患者や家族の理解と協力を得ながら施設全体で感染防止に取り組むこと, それが精神・神経専門病院としての感染管理上の課題であると考える.
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© 一般社団法人国立医療学会
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