抄録
[目的] 本研究は,理学療法士と作業療法士が行った住環境整備に関する事例報告を分析することを目的とした. [対象と方法] 1983~2014年の間に,理学療法士または作業療法士が論文や学会等で発表した72件82事例の事例報告から,住環境整備の目的や効果をデータとして抽出した. [結果] 2000年以降の事例報告が多かった.事例として報告された対象者について見ると,60歳以上の高齢者が7割を占め,多くは病院の退院時に行われた住環境整備に関する報告だった. [結語] 住環境整備は,介護保険制度による住宅改修の普及により理学療法士・作業療法士の一般的な治療手段として事例報告されるようになったと考えられる.