国際エクササイズサイエンス学会誌
Online ISSN : 2436-679X
Print ISSN : 2433-7722
2 巻, 1 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 澤田 有希
    2019 年 2 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 本研究は,理学療法士と作業療法士が行った住環境整備に関する事例報告を分析することを目的とした. [対象と方法] 1983~2014年の間に,理学療法士または作業療法士が論文や学会等で発表した72件82事例の事例報告から,住環境整備の目的や効果をデータとして抽出した. [結果] 2000年以降の事例報告が多かった.事例として報告された対象者について見ると,60歳以上の高齢者が7割を占め,多くは病院の退院時に行われた住環境整備に関する報告だった. [結語] 住環境整備は,介護保険制度による住宅改修の普及により理学療法士・作業療法士の一般的な治療手段として事例報告されるようになったと考えられる.
  • 齋藤 孝義, 鈴木 啓介, 大武 聖
    2019 年 2 巻 1 号 p. 6-9
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] デジタル吊り秤を用いて等尺性膝伸展筋力測定値の検者内・検者間の信頼性を検証することとした. [対象と方法] 検者内信頼性は健常成人男女20名(男性10名,女性10名),検者間信頼性は検者内信頼性とは別の健常成人男女10名(男性5名,女性5名)とした. [方法] 検者内信頼性は1名の検者が5秒間の等尺性膝伸展筋力を10分以上の間隔をあけ2回測定行った.検者間信頼性は1名の対象者に対し,2名の検者がそれぞれ10分以上の間隔をあけ2回行った.[結果]検者内信頼性,検者間信頼性ともに良好な結果が得られた. [結語] デジタル吊り秤は安価であり,等尺性膝伸展筋力を定量的に測定できる機器として使用できる可能性がある.
  • 高濱 みなみ, 篠原 博
    2019 年 2 巻 1 号 p. 10-14
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] バレーボール競技におけるラリー中のアタッカーのスパイク動作に伴う切り返し動作は,スパイクを前提としたジャンプ動作に影響すると考えた.本研究は垂直跳び,踏み込みジャンプ,切り返し動作を伴う踏み込みジャンプの跳躍高を比較することで切り返し動作を伴う踏み込み動作の特異性を明らかにし,バレーボールに特化したパフォーマンス評価とすることができるかどうか検討することを目的とした.[結果]各ジャンプの平均跳躍高は垂直跳び42.1±4.2㎝,踏み込みジャンプは46.5±3.9㎝,切り返し動作を伴う踏み込みジャンプは43.4±3.6㎝であった.[結語]アタッカーのパフォーマンスを評価するためには切り返し動作を加える必要性が示唆された.
  • 堀 愛琳郁, 篠原 博, 小幡 太志
    2019 年 2 巻 1 号 p. 15-18
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的]臨床では一般的に扁平足の運動療法としてタオルギャザーエクササイズが行われるが足部のアーチ高に対する影響という点では一定の見解は得られていない.本研究は足趾の外転角度が足部の内側縦アーチに与える影響を検証することを目的とした.[方法]女子学生6名12足を対象とした.足趾MP関節伸展0°位にてMP関節内外転中間位と他動的外転位にてアーチ高を比較し,伸展40°位同様に比較した.[結果]足趾伸展0°位,40°位どちらにおいてもMP関節外転にてアーチ高が上昇した.[結語]足趾外転で共に内側縦アーチは上昇し,本研究では足趾外転は内側縦アーチを上昇させる運動であることが示唆された.
  • 松尾 慎, 小幡 太志
    2019 年 2 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 本研究の目的は運動課題を考慮しないコアトレーニングが,一般体力測定項目の内,どの項目に効果を与えるのか明らかにすることとした.[対象と方法]運動習慣のない健常成人男女35名を対象とした.5種類の等尺性コアトレーニングを週2回,4週間(合計8回) 実施し,コアトレーニング介入前後の計測値を比較検討した.平均値の比較は,対応のあるt-検定を行い有意水準は0.05未満とした.[結果]男性で50m走,反復横跳び,10mタンデム歩行に有意な記録の向上が認められた.女性と男女合計では10mタンデム歩行のみ有意な記録の向上が認められた.[結語]課題となる種目の運動特性に応じた筋,収縮様式とトレーニングを合致させることで運動パフォーマンスに効果を与えることが示唆された.
  • 大澤 はるか, 齋藤 孝義, 渡邉 観世子, 丸山 仁司
    2019 年 2 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 本研究は腕振りの増大が,歩行の身体動揺を増大させるかを明らかにするため,腕の大振り歩行による身体動揺・体幹回旋角度の変化を検証した.[対象と方法] 健常成人22名を対象とした.正常歩行・大振り歩行・固定歩行の腕振りの大きさで異なる3条件で行った.10m歩行時の歩行速度・歩数を測定した後,歩行速度と歩数を統制したトレッドミル上にて,歩行時の身体動揺・体幹回旋角度を測定した. [結果] 大振り歩行が正常歩行よりも身体動揺と体幹回旋角度が増大し有意差を認めた.[結語] 腕振り指導は歩容改善に効果的だが,大きさによって身体動揺の増大につながることも示唆した.指導時には転倒の危険性のない腕の振りの大きさで指導が必要である.
  • 〜瞬間回転中心を用いた検討〜
    渡邉 郁海, 田中 和哉
    2019 年 2 巻 1 号 p. 30-34
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 本研究は脊柱の分節性が得られることで頭部,胸骨の回転運動が強く生じ,瞬間回転中心(instantaneous center of rotation;以下ICR)も頭側から徐々に尾側へ移行すると仮説を立て検証することを目的とした . [対象] 健常男性12名を対象とした. [方法] 背臥位からの起き上がり動作において,頭部の初動を頭部屈曲,頸部屈曲の2条件に規定した.各条件における頭部,胸骨のICRの座標を三次元動作解析装置VICON-MXを用いて算出した.[結果] 頭部,胸骨共にICRが動作の前半で頭部屈曲の方が頭側に位置していた.[結語] 頭部屈曲運動が頸椎,胸椎の分節性の構築に寄与していることが示唆された.
  • 小林 涼, 篠原 博, 後藤 圭介, 西林 孝一郎
    2019 年 2 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 本研究は足関節にテーピングを施行し,敏捷性が向上するかを検証した. [方法] 対象は足関節に疾患を有さない男子大学生10名とした.Optojump Next内で前後ステップを行い,ステップ数を測定し,テーピングの種類で比較した.[結果] 非伸縮性テーピングと混合パターンを比較した際に,混合パターンのステップ数が高い値を示し統計学的な有意差を認めた(p‹0.05).テーピングなしと混合パターンを比較した際に,統計学的な有意差は認めなかった.[結語] テーピングを実施することで敏捷性に影響を及ぼさないことが示唆された.
  • 後藤 圭介, 篠原 博, 小林 涼, 西林 孝一郎
    2019 年 2 巻 1 号 p. 40-44
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 本研究ではバランスに焦点を当て,テーピングの種類の違いがパフォーマンスに与える影響を明確にし,それぞれの特性を把握することを目的とした.[方法] 静的バランス能力は静止片脚立位時での足圧中心軌跡長で測定し,動的バランス能力は片脚ドロップジャンプを用いて測定した.[結果] 動的バランス能力ではテーピングなしが他の条件と比較し緩衝係数において低値を示した.静的バランス能力ではテーピングなしとEBで総軌跡長においてテーピングなしが有意に低値を示した.[結語] 結果より,テーピングを施行することでバランス能力は低下することが示唆された.
  • 西林 孝一郎, 篠原 博, 小林 涼, 後藤 圭介
    2019 年 2 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 本研究においてスポーツ動作で頻繁に使用するジャンプ動作に焦点を当て,テーピングの種類の違いがパフォーマンスに与える影響を調査することを目的とした.[方法] 対象は本学成人男性10名とした.テープ無し・非伸縮性テープ・伸縮性テープ・混合の4パターンでOptojump Nextを用いて連続ジャンプの高さを比較した.混合パターンは,スターアップに非伸縮性,ヒールロック・フィギィアエイトに伸縮性を用いた.[結果] 4条件間に有意な差はみられなかった.[結語] 統計的な差はないものの捻挫の既往のある者に対しては混合パターンを施行することでジャンプパフォーマンスが向上する傾向が見られた.
  • ~乗馬フィットネス機器との比較検討~
    小橋 一雄, 黒川 喬介, 石井 孝弘, 和田 亜弓, 石原 学, 大塚 湧一, 金井 祐樹, 栗原 拓海
    2019 年 2 巻 1 号 p. 50-55
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的]本研究は,乗馬フィットネス機器と実馬を用いて乗馬を行った際の,臀部とその周辺に加わる圧力の違いについて検証した.[対象と方法]健常成人男性1名が乗馬フィットネス機器と実馬に騎乗し,騎乗中の一定時間における臀部及びその周辺にかかる体圧を体圧測定器を用いて測定した.[結果] 臀部とその周囲に加わる圧力は,揺れによる振動数がほぼ同じ場合でも,フィットネス機器よりも乗馬の方が高いことが明らかとなった.[結語] 乗馬フィットネス機器と実馬による乗馬での違いは固定された場所での動きと空間を移動しながらの動きに違いが影響していると思われる.ADHDや自閉症の児でより強い振動や圧迫の刺激を求めている児に対して刺激を提供する際には,実馬の方がより適している事が示唆された.
  • 昇 寛, 佐野 徳雄, 平賀 篤, 嶋田 裕司
    2019 年 2 巻 1 号 p. 56-59
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的]今回,足関節底屈筋力MMT3未満の虚弱者を対象とする筋力強化練習器を開発した.そこで,今回の目的は,本練習器の構造や使用方法,予想される運動効果等について報告することである. [本練習器の構造] 本練習器は,足関節底屈筋においてMMT3未満の虚弱者用の底屈筋筋力強化練習器として考案したので,踵拳上の補助力を加える構造とした.基本的構造としては,基板を基底面として,その上に足指板,足底板の2枚の板で構成した.基板と足底板の間の踵部に圧縮コイルバネを設置し,踵部の拳上を補助する仕組みとした.足指部分と足底部分を分離させて蝶番で結合させて可動性を確保した. [使用方法] 使用者は,両脚の足指を足指板に指を置き,足底板に足部全体を置いて立位姿勢をとる.立位姿勢の不安がある場合には,両手で手摺等の補助を用いる.つま先立ちを試みながら両側踵部を拳上させる. [予想される効果] 本器は,下腿三頭筋 MMT3未満の虚弱者用つま先立ち促通練習器として考案された練習器である.踵部下に設置された圧縮コイルバネの伸長力が,つま先立ち運動を達成させるための促通効果が予想される.
  • 嶋田 裕司, 昇 寛, 佐野 徳雄, 中山 彰博, 丸山 仁司
    2019 年 2 巻 1 号 p. 60-63
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 本研究の目的は,従来適当な評価計測指標のない前足部横アーチに対して,定量的にアーチ高を評価できる新しいレーザー光線を用いた測定装置を開発した. [測定方法]本測定装置を使用する時には,片脚をレーザー照射板におき,反対脚を足置き台において立位姿勢を保つ.ランドマークに対して,2台のレーザー墨出し器を使用して照射する.レーザーの交わった交点を,デジタルノギスで高さを算出する.前足部の横幅は,パイプを加工したメジャーを用いて,横幅の長さを算出する. [結語] レーザー墨出し器を用いて,足部に線を引かずに短時間で足部横アーチ高が計測できる測定装置を開発した.本測定装置は,立位と座位での計測が可能であり,幅広い対象者での使用が期待できる.簡便に測定できることから,臨床評価で用いることができると思われる.
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