2019 年 2 巻 2 号 p. 101-108
[目的]高次脳機能評価を用いて客観的に精度の高い帰結予測が可能かどうかを検討し,自動車運転再開可否に関して高次脳機能評価の妥当性を検証すること目的とした.[対象]自動車運転再開を希望した脳損傷患者86名.[方法]年齢,MMSE,Kohs,TMT,CATの数値と自動車運転再開可否を収集した.多層パーセプトロンをコンピューター上で構築し,収集したデータを学習させた.その後,分類精度を確認した.[結果] 88.24%の確率で自動車運転再開可否の判定が可能であった.[結語]11.76%の精度で自動車運転再開可否の分類を間違えるため,高次脳機能評価のみで運転再開可否を分類することは妥当ではないと考えられる.