抄録
我々は種々のハーフトーン画像のドット構造を比較するため,「ソリッド部の色材層に対するドット厚みの薄層化を伴ったドット面積率の増大現象」という広義のドットゲインを提案した.この定義に基づくと,ドット断面形状観察でドットゲインの度合いを比べられるが,この評価には時間と手間を要す.そこで,測色解析が有効な評価法となる.本報告では,新しい定義に基づいて測色解析の原理を定量的に説明し,実効的な解析手法に言及する.前報で述べたように,ドットゲイン量は白地とソリッド部の色度座標の加法混色で決まるMurray-Daviesの直線からのずれの大きさで評価される.このずれは主吸収に対する副吸収の割合がドット厚みで変化することで生ずる.従って,短波長域に大きな副吸収を有する典型的なMagenta顔料を例にとれば,主吸収と副吸収に対応するy-z平面で解析を行うことが望ましい.適切な平面を選ぶことで解析精度が上がり,スクリーン構造などによるドットゲインの僅かな差も検出可能となる.