日本画像学会誌
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論文
静電力を用いた超高精細インクジェット記録技術の開発
村上 照夫平原 修三永戸 一志中尾 英之野村 裕子
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2001 年 40 巻 1 号 p. 40-47

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抄録
静電力を用いた新しいインクジェット技術について報告する.この技術の大きな特徴の一つは微小なインク滴が大きな開口から飛び出すことである.このため従来のインクジェット方式で問題となる目詰まりに強く,2000dot/inch以上の解像度を実現できる.インクは静電プロッタや液体現像用などに使われるものと同様に,絶縁性溶媒中に帯電した色材を分散したもので,電極には先端を加工した注射針を用いて実験した.注射針内にインクを流し,色材と同極性の電圧を注射針に直接印加すると注射針先端に小さなメニスカスが形成され,注射針と記録媒体間の静電界で,帯電したインク滴が先端から吐出する.印加電圧のパルス幅や電圧値を変えることで記録ドットの大きさを変調できる.さらに帯電した色材を静電力で濃縮して飛翔させることができる.本論文では新しいインク滴飛翔メカニズムを持つインクジェット技術の概要と特徴について述べ,次に基礎的特性の実験結果について報告する.
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© 2001 一般社団法人 日本画像学会
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