日本画像学会誌
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論文
高解像度プリンタを用いたインテグラルフォトグラフィ方式
佐々木 晋谷中 一寿春日 秀雄星野 担之
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2004 年 43 巻 1 号 p. 4-9

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抄録
立体感はリアリティの重要な要素であり,高い臨場感を得られる立体表示技術が,今後の情報化社会において強く求められている.ホログラフィやインテグラルフォトグラフィは,特殊な眼鏡なしに多方向から立体視が可能な優れた方式であるが,それらの製造には特殊な装置や部品が必要である.そこで本研究では,性能向上が著しいプリンタに着目し,インテグラルフォトグラフィのフライアイレンズをピンホールアレイで置き換え,かつそれを解像度が高く,価格的にも入手が容易なインクジェットプリンタで作成することにより,誰もが容易に入手できる機材のみを用いた簡易な立体表示方式を実現した.パーソナルコンピュータで作成したパターンをプリントした2枚の透明OHPシートの間に透明板を挟み,下から照明をあてると,上から立体画像を観察できる.立体データの作成方法として,独自のプログラムでレイトレーシングを行う方法と,既存のCGソフト(POV-Ray)を用いて視点の位置を制御する方法を提案し,実験の結果,立体視が可能なことを確認した.
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© 2004 一般社団法人 日本画像学会
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