2005 年 44 巻 5 号 p. 369-374
乳化重合は,モノマーの乳化液からサブミクロンサイズの高分子微粒子を得る重合法である.その重合機構を理解し,モノマー,コモノマー,乳化剤,重合開始剤,その他の添加物を目的に適うように選択し,適切な重合条件を採用することにより,自在の粒子設計ができる.典型的な乳化重合から派生したソープフリー乳化重合やミニエマルション重合は乳化重合のバリエーションを拡張した.本稿では,乳化重合の機構,速度論,粒子設計の対策についてアウトラインを述べ,続いて,乳化重合の新潮流を紹介する.