抄録
Trianilino-triphenylmethane(TATPM:正帯電型CCA (P))をスチレン-アクリル樹脂系モデルトナーTの表面に被覆したTP,あるいは球形フェライトキャリアCの表面に被覆したCPのそれぞれと,キャリアCあるいはトナーTとを混合して2種類の二成分現像剤TP-C,およびT-CPを調整した.これらのブローオフ帯電量を測定したところ,トナーTPあるいはトナーTはいずれも正帯電性を示し,帯電量はTATPMの被覆量の増加とともに増加した.振とう混合後,TP-C混合体から採取したCの表面,あるいはT-CP混合体から採取したTの表面上には,微量のTATPMが検出された.これらの結果をもとに,両混合体におけるトナー帯電では,混合操作によりTPあるいはCPの表面から剥離した正帯電のTATPM微粒子が正電荷のメッセンジャーとして働いていることを述べた.