日本画像学会誌
Online ISSN : 1880-4675
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原著論文
階段状濃度変化パターンにおける段差知覚
成 紅梅星野 坦之
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2008 年 47 巻 1 号 p. 18-23

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抄録

画像システムにおいて,輪郭の表現は画質に大きな影響を与える重要な要素である.輪郭の扱いは視覚系でも重要であり,輪郭がどのような条件で知覚されるかを把握することは,意義が大きい.本研究では,段幅,段差を変えた階段状濃度変化パターンを作成し,そのパターンの段差を知覚できるかどうかの主観評価を自由観察条件から3mまでの7種の観察距離,2段階の明るさで,行った.それぞれの条件で,輪郭または段差を知覚できる比率を求めた.その比率は濃度の段差より,段幅が大きな影響を与えることが得られた.段差知覚の観察距離依存性を人間の視覚の空間周波数特性から考察し,視覚特性により処理された画像の段幅に濃度一定のところがなくなると段差と知覚しなくなることが得られた.

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© 2008 一般社団法人 日本画像学会
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