抄録
1975年に,初の超高速連続帳票用モノクロレーザープリンターIBM 3800が上市され,その後,シーメンス,日立などにより相次いで製品が発表された.1977年に(株)日立製作所より,H8196-P10が上市された.1,2)当時の印刷速度は,432mm/s(17ips)程度であり,本報告で述べる巻きつけなどの大量エネルギー投入技術は開発されていなかった.超高速連続帳票用モノクロレーザープリンターは.官公庁や会社等において帳票印刷などの基幹系業務における出力装置に用いられてきた.基幹系業務では,請求書や明細書等々の大量印刷ジョブを短期間で出力する為,突出したピーク業務への対応力を備える印刷の生産性が重視され,印刷速度の高速化,高い耐久性,高い信頼性が求められてきた3).また近年では,ダイレクトメールやブック印刷などのモノクロオンデマンド印刷用途も増加してきており,帳票用紙への幅広い対応力と画質の更なる性能向上が望まれるようになってきた.本報告では,超高速連続帳票用モノクロレーザープリンターを概説し,特に定着プロセス技術について,超高速印刷における短時間での大量定着エネルギー投入技術と,連続帳票特有の定着機における蛇行補正技術について,特徴を紹介する4).
(1)プレヒーター技術
(2)定着装置の生産性確保技術
(3)帳票用紙後方巻き付け定着技術
(4)帳票用紙の蛇行補正技術